EXコインを開発した人ってどんな人なの?
簡単にいうと天才エンジニアと金融のプロの2人組です!
EXコインに興味を持たれた方は、ツカリくんのように開発者について知りたくなるのではないでしょうか?
投資の世界では、開発者や経営者がどんな人でどんなビジョンを持っているかは、投資する際に非常に大事な判断材料となります。
今回は、EXコインの開発者であるGVE代表の房広治(ふさこうじ)さんと、セキュリティアドバイザーの日下部進(くさかべすすむ)さんについて解説していきます!
GVE社代表・房広治について
金融のプロでありGVE社の代表・房(ふさ)さんは早稲田大学理工学部を卒業後、イギリスのオックスフォード大学・大学院に入学します。
そこで、EXコインを開発するキッカケとなる人物、アウンサンスーチーさんに出会います。
アウンサンスーチーさんは「ミャンマー建国の父」と呼ばれたアウンサン将軍の娘です。新聞やテレビで名前を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そして、房さんは当時オックスフォード市に家族で住んでいた、アウンサンスーチーさん家の下宿人第一号になります。
余談ですが、下宿を許されたのは「日本人学生は、真面目で部屋も整理整頓して使ってくれるし、深夜に騒ぐような非常識な行動をしないから」という理由からだそうです(笑)
欧州初の日本人M&Aアドバイザーから外資系ブームの火付け役に
大学院に入り、真面目に勉強と研究を続けていた房さんですが、あるとき転機が訪れます。房さんが執筆した研究レポートがイギリスの有名投資銀行の目に留まり、オファーを受けることになったのです。
1987年、房さんはその投資銀行に入社し、欧州初の日本人M&Aアドバイザーになります。
それから2年後の1990年、今度はM&Aビジネスで世界的に有名なS.G.ウォーバーグ(のちのUBS信託銀行)に転職し、M&A課長として日本に派遣。
翌年の1991年には日本で初めて公開会社のM&Aを成功させたことで、房さんは証券業界で一躍有名人となりました。
房さんはその後も業績を伸ばしていき、1997年には、UBS信託銀行が日本の四大証券(野村證券、大和証券、日興証券、山一證券)を抑えて、外資系で初めてNo.1になりました。
このことから、外資系ブームの火付け役と言われています。
独立してファンド・オブ・ザ・イヤーを受賞
1998年に38歳の若さでUBS信託銀行の社長となりますが、2003年にロンドンに戻り、2004年に独立。
そして、2005年に設立したヘッジファンドのサンドリンガムが、日本株の運用で100億円を230億円まで増やして運用成績No.1となり、ファンド・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
2006年には、証券会社向けシステムの開発会社EMCOMの社長に就任。EMCOMの高速FXシステムはレバレッジ300倍を可能にし、EMCOMがコンサル契約を結んでいた3社で、日本のFX市場の過半数のマーケットシェアとなります。
このときに手数料ゼロをFX業界に導入し、現在の一般向けFX業界のデファクトスタンダードを作りました。デファクトスタンダードとは?
現在は、GVE株式会社のCEOでカリフォルニア大学、コロンビア大学、ハーバード大学などから、金融業界の第一人者として、M&A、ヘッジファンド投資、新興国投資についての講演を頼まれるほど、海外では知名度抜群の金融の専門家となっています。
すごい経歴の人ってことはわかったけど、まとめるとどんな人なの?
日本におけるM&A市場と、FXのシステムや市場の基礎を作り上げた金融のプロあり、金融業界の超有名人です!
SONY出身の天才エンジニア・日下部進について
日下部(くさかべ)さんは、早稲田大学理工学部を卒業後、SONYに就職しました。
SONYでいくつかの部署を経験したのち、1987年にFeliCa(フェリカ)の開発のきっかけとなった佐川急便からの「荷物を仕分けする為のタグ(非接触ICカード)を作れないか」という依頼を受けます。
仕様に沿った仕分けタグを作ることには成功しますが、タグ1つを制作するのに2000円ものコストがかかってしまいます。
結局、佐川急便が出していた条件の「1つの制作にかかるコストが20円程度」をはるかに上回ってしまったため、実用化には至りませんでした。
しかし、社員証のIDカードとしてなら使えると考え、高層ビルの建設ラッシュが起きていた1990年の幕張地域に売り込んだところ、いくつかの企業の社員証として導入が決まります。
喜んでいるのも束の間、社員証は購入数がさほど多くなく、ビジネスとして儲からないことに気づくのです。
鉄道総研との共同開発
そんなときにJRの研究機関である、鉄道総研(鉄道総合技術研究所)が電子定期券(現在のSuiCaにあたる非接触ICカード)を開発しているという記事を見つけます。
日下部さんは「我が社の技術が使えるのでは?」と思い、鉄道総研に非接触ICカードの技術を売り込んだところ、採用されて共同研究が始まりました。
当時は、私鉄や関西では磁気カード(きっぷ)が導入されており、JR東日本だけが完全に取り残されていました。この状況で、JR東日本は磁気カードのデメリットを解消した非接触ICカード(SuiCa)の開発を目指していたのです。
磁気カード(きっぷ)のデメリットってなに?
改札機に”通す”必要があったことです。一方、ICカードはかざすだけで改札を通れるので、タイムロスを減らして通勤ラッシュの混雑を避ける狙いがありました!
ところが1991年、JR東日本は使用実績があってICカードよりも信頼性の高い磁気カードを採用します。
さらには幕張地域に売り込んだ社員証のIDカードが、多数の高層ビル建設により電波干渉を起こすようになりました。
もはや絶対絶命。「いよいよこの事業からは撤退か」と思っていたときに、当時SONYの社長であった大賀代表から「なんで撤退するんだ。もう1回見直せ」と鶴の一声が発せられました。
FeliCaが香港ではじめて採用される
ちょうど同じタイミングの1992年、香港の公共交通機関が世界に先駆けて、電車の乗り降りや売店での決済などに非接触型のICカード(別名:オクトパスカード)の導入を予定しているという話を聞きつけます。
このとき香港側から、電池を内蔵しない、クレジットカードのようなコンパクトな形にするという条件が出されました。
そこから、競合他社との熾烈な開発競争が繰り広げられるわけですが、3年後の1995年、結果的に他社の技術に圧倒的な差をつけて、日下部さんの率いるSONYが開発した非接触ICカード技術が選ばれます。
このとき至福を意味する「Felicity」と「Card」を掛け合わせて、この技術はFeliCaと命名されました。
さらにFeliCaの技術を使用したオクトパスカードが香港の公共交通機関で問題なく使用できていたことから、JR東日本は2001年にFeliCaを応用して開発したSuicaを導入。
その後、SONYはNTTドコモと組み、携帯電話で決済できる「おサイフケータイ」を開発します。「楽天Edy」「nanaco」「WAON」などの電子マネーでもFeliCaの技術は採用され、国内で次々と利用が広がりました。
余談ですが、実はFeliCaを利用した電子マネーは1995年の運用開始以来、一度もハッキングによる被害を受けていないそうです。それだけセキュリティの強固なシステムを構築することのできる技術力があるというわけですね。
思い通りに仕事ができなくなったSONYを退社
こうして日下部さんはFeliCaを日本中に浸透させたわけですが、一方で心残りも抱えていました。
その心残りとは、FeliCaが非接触型ICカードの国際規格を取れなかったことです。
当時の技術は、市場で広く使われるようになる中で標準仕様になっていくケース(デファクトスタンダード)が多く、SONYも日下部さん自身も国際規格を取るという意識が低かったそうです。
結果的には非接触型ICカードではなく、無線技術(NFC)として国際規格を取ることができましたが、FeliCaが広く海外展開をすることはありませんでした。NFCとは?
また日下部さんは香港でFeliCaビジネスが成功した際、ある懸念を抱いていました。
それは、カードを売る物販ビジネスには限界があることです。電池を内蔵しないようにしたことで半永久的に使える可能性があったため、発行枚数が伸びなくなり、いつか行き詰まるのではないかという不安がありました。
このとき、日下部さんは「生き残るためにはシステムの運営者になるしかない」と考えており、そのことをSONYの経営陣に話します。しかし、いくら言っても理解してもらえず、日下部さんの考えは採用されませんでした。
そして2005年、SONYの中では思ったように仕事ができないと感じた日下部さんはSONY退社を決めました。
新たにQUADRAC社を設立
SONYを退社したあと別の企業に勤めたのち、2009年に日下部さんはSONY時代の部下2人とともにQUADRAC株式会社(クアドラック)を設立。
QUADRAC社で、毎秒数千件もの取引を、リアルタイムに遅延なく処理できる超高速サーバー「Q-CORE」の開発事業をすることになります。
このQ-COREの技術が、のちのEXCプラットフォームの発想に繋がることになります。
房さんと日下部さんが出会う
房さんと日下部さんはどちらも中高一貫校である関西の進学校・六甲学院の出身です。
そんな2人の出会いは、2013年。2人の先輩にあたる方が主催の六甲学院の同窓会で、はじめて2人は出会います。
先輩が「房と日下部が組んでビジネスをすれば、何かとんでもなく大きなことができるはずだ」という考えで2人を会わせますが、そのときは2人とも一緒に仕事をするイメージが湧いていなかったそうです。
アウンサンスーチーさんがEXC開発のきっかけとなる
2人が一緒に仕事をするきっかけとなったのが、2016年にアウンサンスーチーさんから「ミャンマーの経済改革の支援をしてほしい」と依頼されたことです。
銀行口座は持っていないが、携帯電話は持っているミャンマー国民のために、おサイフケータイとクラウドを組み合わせたオンライン決済プラットフォームを開発しようとします。
しかし、ミャンマーの政情不安により、このプロジェクトが実行されることはありませんでした。
病室でEXCプラットフォームの構想をひらめく
それから1年後の2017年、ビットコインの価格急騰により、仮想通貨ブームが訪れます。金融のプロである房さんは、このブームに対して、怪しさと危険なニオイを感じとっていました。
「この仮想通貨と呼ばれる怪しいものを早く分析しなくては」と思うものの、多忙な房さんは分析する時間が取れません。
そんなときに房さんはスキーでケガをして入院。思わぬタイミングで仮想通貨を分析するための時間がとれた房さんは、入院期間中にビットコインについて徹底的に分析し、さまざまな問題点を見つけます。
その問題点とは、匿名性が高いためマネーロンダリングに利用されやすいことや、セキュリティの甘さ、価格が乱高下するため通貨として使うには安定性がないなどです。
そして、ある日の深夜。日下部さんの技術と房さん自身の経験を合わせれば、既存の仮想通貨の問題点を解決した新しいシステムができるのではないかと思いつきます。
ここで先輩の「2人が組めば、とんでもなく大きなことができる」という考えが現実のものとなるのです。
EXCプラットフォームの開発
治療が終わった房さんは、日下部さんに以下の5つの特長を持った新しいシステムについて、話しました。
- スマホを持つすべての人が使える
- 決済に遅延がない
- 手数料が安く、低コスト
- 透明性を持っている(犯罪に使われない)
- 高セキュリティ
房さんの話を聞いて興味を持った日下部さんは、法定通貨のデジタル化とそのプラットフォーム(EXCプラットフォーム)の開発に携わることになります。
開発当初は、法定通貨のデジタル化には日下部さんのFeliCaの技術と、サーバーを組み合わせた方式を採用しようとしていました。しかし、日下部さんはフェリカとはまったく関係のない別の方式を採用しました。
FeliCaが開発されたのはネットワークが十分に発達していない時代。一方、現在はネットワークが世界中で普及しており、Q-COREのようなリアルタイムで遅延なく処理できる高性能なサーバーも登場している時代です。
そのため、FeliCaはオフライン処理でしたが、日下部さんが採用した新しい方法はオンライン処理でした。
GVE社の設立
2017年11月10日、房さんは「GVE株式会社」を設立します。代表取締役に就任した房さんは、事業のパートナーとして日下部さんではなく、日下部さんの息子である佑さんを選びました。
え!日下部進さん自身が開発するわけじゃないの?
そうです。でも、安心してください!日下部進さんは技術面のアドバイザーとして「特別顧問」に就任しています!
日下部進さんは、佑さんが大学生のときから進さんの仕事を手伝わせてきたため、佑さんには全幅の信頼を置いているそうです。
そして、GVE社が開発した法定通貨のデジタル化プラットフォームを、EXCプラットフォームと名づけます。「交換」を意味する「exchange」の頭文字からとってEXCとなりました。
EXCプラットフォームとEXコインの今後
2017年の12月、EXCプラットフォームを通貨決済のプラットフォームとして国際特許を出願し、日本とアメリカで特許が成立。その後、2018年にEXコインを海外の取引所に上場させました。
2019年には房さんがネパールを訪問して、政府機関の代表者と決済インフラのデジタル化について話し合いました。
EXCプラットフォームとEXコインの今後としては、ネパールのような発展途上国がEXCプラットフォームとEXコインを採用して徐々に世界に浸透していく流れが理想だと考えています。
現在の基軸通貨である米ドルのように、デジタル通貨の分野でEXコインが世界で使われることが最終的な目標です。
まとめ
今回はEXコインの開発者でありGVE代表の房広治さんと天才エンジニアである日下部進さんの過去を掘り下げてみました。今回の記事でお二人とも非常に華々しい経歴の持ち主であることがわかったと思います。
お二人が思い描く「通貨がデジタル化された世界」を見るためにEXコインに投資してみてはいかがでしょうか?
EXコインの買い方はこちらでわかりやすく解説しています。
もし、ご不明点がありましたらお気軽に私のTwitterにDMしていただくか、お問い合わせからご質問ください。
参考本
フェリカの真実:電子マネーからデジタル通貨ヘ
SONYによるFeliCaの開発秘話からEXCの開発経緯までが書かれている本です。EXCに興味をもった方は読んでおくと、より理解が深まると思います。登場人物は主にFeliCaの開発者である日下部進さんですが、後半のEXC事業の話では房広治さんも登場します。GVE社の名前の由来も載っているので気になったら読んでみてください。
週刊エコノミスト:欧州発世界不況
はじめてEXCを掲載した経済専門の週刊誌です。EXCの特集の前に、似た思想を持っていたFaceBook社(現:Meta社)のリブラについても書かれているので、比較のためにそちらも読んでおくと良いでしょう。
デジタルマネー戦争
EXCの開発者のひとりである房広治さんと、日本で唯一のルール形成戦略機関の研究者で大学教授の徳岡晃一郎さんが、今の世界で起きている「お金のデジタル化」をめぐるテクノロジーの最新動向と、日本企業やビジネスパーソンがグローバルなビジネス環境で戦うために必要な考え方ととるべき戦略を公開しています。もちろんEXCについても言及されています。
3冊ともEXCについて書かれているのでチェックしておいて損はないです!