FX（外国為替証拠金取引）で利益を出すためには、チャート分析が非常に重要です。チャートを使って相場の動きを予測し、売買のタイミングを判断することがFXの基本となります。チャート分析には、過去の値動きをもとに未来の動きを予測する「テクニカル分析」が中心的な手法です。
たとえば、移動平均線やローソク足、RSI（相対力指数）など、さまざまな指標を使って相場の動きを分析し、トレードの判断材料にします。本記事では、初心者が知っておくべき基本的なチャート分析手法をわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、FXでのチャート分析の基本を理解し、相場の動きを予測するスキルが身につくでしょう。では、さっそくチャート分析の基本からみていきましょう。
1. ローソク足とは？基本的な見方と使い方
ローソク足は、FXのチャートで最も基本的かつ重要なツールです。ローソク足は、ある一定の期間の「始値（はじめね）」「終値（おわりね）」「高値（たかね）」「安値（やすね）」の4つの価格情報を1本の棒状で表したものです。この4つの価格を一目で確認できるため、相場の流れや心理を把握するのに役立ちます。
ローソク足の基本構造
- 実体：始値と終値の間を表す太い部分。実体が上昇しているときは「陽線」、下降しているときは「陰線」と呼ばれます。
- ヒゲ：実体の上下に伸びる線で、期間中の高値と安値を示します。上に伸びる部分が「上ヒゲ」、下に伸びる部分が「下ヒゲ」です。
ローソク足のパターン
ローソク足には、いくつかの代表的なパターンがあり、相場の転換点や継続を予測する際に役立ちます。
- 陽線：始値より終値が高い場合、買いが優勢であったことを示します。上昇トレンドの兆しです。
- 陰線：始値より終値が低い場合、売りが優勢であったことを示します。下降トレンドの兆しです。
- 十字線：始値と終値がほぼ同じで、相場が迷っている状況を示します。次の動きを予測するヒントになります。
2. 移動平均線とは？トレンドを見極める基本ツール
移動平均線は、一定期間の価格の平均を線で結んだもので、トレンドの方向性や強さを確認するための基本的な指標です。長期的なトレンドを把握するために役立ち、FXのチャート分析で多く使われています。
移動平均線の種類
- 単純移動平均線（SMA）
過去の一定期間の価格の平均値を取るもっともシンプルな移動平均線です。短期（5日や25日）と長期（50日や200日）を組み合わせて、トレンドを見極めるのに利用されます。 - 指数平滑移動平均線（EMA）
直近の価格に重みを置いて計算される移動平均線で、単純移動平均線よりも反応が早いのが特徴です。短期的なトレンドを確認する際に有効です。
ゴールデンクロスとデッドクロス
- ゴールデンクロス：短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜けたとき、強い上昇トレンドのサインとされています。
- デッドクロス：短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜けたとき、強い下降トレンドのサインとされています。
移動平均線を使うことで、トレンドの方向性を把握し、売買のタイミングを判断できます。
3. RSI（相対力指数）とは？買われすぎ・売られすぎを判断する
RSI（Relative Strength Index）は、相場が「買われすぎ」か「売られすぎ」かを判断するためのオシレーター系指標です。0～100の数値で表示され、一般的には30％以下で「売られすぎ」、70％以上で「買われすぎ」と判断します。相場が行き過ぎた動きをしているときに、反転のサインとして利用されることが多いです。
RSIの使い方
- 買われすぎの判断
RSIが70以上に達すると、相場が買われすぎと判断され、上昇トレンドが一服し、反転する可能性が高まります。この時点で売りのタイミングを探るのが一般的です。 - 売られすぎの判断
RSIが30以下に達すると、相場が売られすぎと判断され、下落トレンドが一服し、上昇する可能性があります。この場合、買いのタイミングを検討します。
ダイバージェンス
RSIと価格の動きが逆行する「ダイバージェンス」は、トレンドの転換を示唆するサインとされています。たとえば、価格が上昇しているにもかかわらず、RSIが下がっている場合、上昇トレンドが終わりに近づいている可能性があります。
4. ボリンジャーバンドとは？相場の変動幅を予測する
ボリンジャーバンドは、価格の変動範囲を示す指標で、相場のボラティリティ（変動幅）を視覚的に把握するのに役立ちます。移動平均線を中心に、上下にバンド（帯）が広がっており、このバンドの幅が広がるとボラティリティが高く、狭まるとボラティリティが低いことを示します。
ボリンジャーバンドの使い方
- バンドウォーク
価格がバンドの上限または下限に沿って動くことを「バンドウォーク」と呼び、強いトレンドが発生しているサインです。たとえば、上限に沿って価格が上昇している場合、買いが強いことを示しています。 - 逆張りのサイン
価格がバンドの上限や下限にタッチした場合、逆張りのチャンスとして捉えることもあります。価格が上限にタッチした場合は売り、下限にタッチした場合は買いを検討するのが一般的です。
ボリンジャーバンドの幅の変化
バンドの幅が狭まっている場合は相場が一時的に安定しており、幅が広がり始めると大きな変動が起こる前触れであることが多いです。この変動幅の変化を見極めることで、トレンドの始まりや終わりを予測できます。
5. MACD（移動平均収束拡散法）とは？トレンド転換を見極める
MACDは、短期と長期の移動平均線の差をグラフ化したテクニカル指標で、トレンドの転換点を見極めるのに適しています。MACDがシグナルラインを上抜けると買い、下抜けると売りのサインとされることが多いです。
MACDの使い方
- ゴールデンクロス
MACDがシグナルラインを上抜けると、買いのサインとされ、上昇トレンドの始まりを示唆します。 - デッドクロス
MACDがシグナルラインを下抜けると、売りのサインとされ、下降トレンドの始まりを示します。
MACDは、トレンドの転換点を早
期に察知できるため、タイミングよく取引を行うために便利なツールです。
まとめ
今回は、FXのチャート分析手法についてお伝えしました。ローソク足や移動平均線、RSI、ボリンジャーバンド、MACDなど、さまざまな指標を組み合わせて活用することで、より正確な相場の分析が可能になります。初心者の方は、まずは基本的な指標を理解し、少しずつ取引に活かしていくことが重要です。長期的に安定した利益を目指すために、継続的な学習と経験を積み重ねていきましょう。
